紹介予定派遣と派遣の違いとは?メリットやデメリットも紹介

仕事
2024.04.25

紹介予定派遣とは、派遣における働き方の一つです。一般的な派遣とは異なり、紹介予定派遣では派遣先での直接雇用を前提に働きます。

紹介予定派遣であれば、正社員や契約社員になる前に、職場の雰囲気や人間関係などを確認できます。直接雇用におけるミスマッチを防げる、おすすめの働き方です。

しかし紹介予定派遣に詳しくない人からすれば、「通常の派遣とは何が違うんだろう」「紹介型の派遣って何か得するの?」と疑問点が多々あるでしょう。

そこでこの記事では、紹介予定派遣について分かりやすくまとめました。一般的な派遣と、紹介予定派遣との違いにも触れます。

また、紹介予定派遣のメリットとデメリット、紹介予定派遣として働く際の注意点もお伝えします。紹介予定派遣を検討している人は、ぜひご覧ください。

紹介予定派遣とは直接雇用が前提の働き方!その特徴も紹介

紹介予定派遣とは、派遣先での直接雇用が前提とされる働き方のことです。

まずは、派遣社員として一定期間働きます。一定期間が経ったら、直接雇用の契約を結ぶのか派遣先と派遣社員で検討し、合意を得れば直接雇用契約を結びます。
 
言い換えれば、派遣社員として働く期間が、試用期間です。紹介派遣とは違い、あくまでも紹介「予定」派遣のため、結果的に直接雇用を断っても構いません。

なお、紹介予定派遣を行う派遣元の派遣会社は、労働者派遣事業および有料職業紹介事業の許可が必要です。

紹介予定派遣を行っている事業所は全国に2,300ヶ所ほど!必ず扱っているわけじゃない

紹介予定派遣を行っているのは、ほとんどが人材派遣会社です。しかし、人材派遣会社なら必ずしも紹介予定派遣を行っているとは限りません。

厚生労働省による労働者派遣事業に関する報告書では、紹介予定派遣を実施している事業所の数は2020年で2,358ヶ所でした。派遣の実績があった事業所全体のうち、7.4%が紹介予定派遣を行っています。

なお2018年の結果では、事業所が2,292ヶ所、全体に対する割合は8.1%でした。近年の結果では、派遣を実施している事業所のうち、7~8%前後が紹介予定派遣が行っているといえます。

紹介予定派遣から直接雇用につながった派遣社員は過半数以上

2020年度における労働者派遣事業報告書によれば、紹介予定派遣に申し込んだのは144,237人でした。紹介予定派遣で派遣されたのは26,314人、そのうち19,836人に職業紹介しています。

紹介予定派遣で直接雇用につながったのは、15,333人でした。過半数以上の人が、紹介予定派遣を経て直接雇用契約を結んだと分かります。

紹介予定派遣を希望して申し込んでも、実際に派遣されるわけではない点も、報告書で読み取れます。

紹介予定派遣と派遣の違いは、雇用元や派遣期間などが異なる

紹介予定派遣は、一般的な派遣とは異なっています。

具体的に何が異なっているのか、紹介予定派遣と派遣の違いをそれぞれ確認していきましょう。

紹介予定派遣は直接雇用が前提であることを提示している点で派遣とは違う

紹介予定派遣において、派遣先企業は直接雇用が前提であることを示さなければなりません。派遣スタッフも、直接雇用が前提だと同意して申し込む必要があります。

なお一般的な派遣では、派遣期間中に直接雇用を結ぶのは契約違反です。紹介予定派遣は直接雇用が前提のため、合意すれば、派遣期間中であっても直接雇用に切り替えられます。

紹介予定派遣と派遣では雇用元が異なる点も大きな違い

一般的な派遣において、雇用元は人材派遣会社です。派遣スタッフを直接雇用しているのは人材派遣会社のため、給与や保険などの手続きは人材派遣会社が行います。

人材派遣会社と派遣先の企業が契約を結ぶことで、企業は派遣されたスタッフに業務指示ができます。

紹介予定派遣では、派遣期間中は一般的な派遣と同様、人材派遣会社が雇用元です。派遣期間が終わるまでは、派遣先企業と派遣スタッフにおいて雇用関係はありません。

派遣期間が終わる頃、派遣会社から派遣スタッフと派遣先企業へ直接雇用で問題ないか確認が入ります。合意すれば、雇用元が人材派遣会社から派遣先企業へと変わり、直接雇用契約を締結します。

紹介予定派遣では、派遣前の書類選考および面接が可能

一般的な派遣では、派遣スタッフと派遣先企業が雇用契約を結ぶことはありません。よって、派遣前に書類選考、面接を行うのは禁じられています。

紹介予定派遣では直接雇用する可能性があるため、事前に書類選考および面接を行うことが可能です。事前の審査によって、派遣そのものを断られる可能性もあります。

なお紹介予定派遣における書類選考や面接の結果は、人材派遣会社から伝えられます。

期間は通常の派遣が最長3年で紹介予定派遣は6ヶ月まで

派遣期間は一般的な派遣で最長3年、紹介予定派遣においては6ヶ月と定められています。

紹介予定派遣の方が短く、6ヶ月を超えることはありません。3ヶ月や4ヶ月など、6ヶ月より期間を短くし、契約を結ぶことは可能です。

紹介予定派遣の派遣期間中は、契約で決められた範囲で業務を行います。直接雇用を前提としているものの、最大6ヶ月の派遣中に範囲外の業務を任された場合は、人材派遣会社に相談が必要です。

派遣期間中の直接雇用の可否

一般的な派遣の場合、企業に「派遣社員を直接雇用したい」と意向があっても、派遣契約の期間内に直接雇用へと切り替えることは、契約違反となるためできません。

対して、紹介予定派遣は直接雇用を前提としているので、「派遣社員」と「派遣先企業」の双方が合意していれば、派遣契約期間の途中でも直接雇用へ切り替えることができます。

紹介予定派遣では紹介手数料が別途かかるので要注意

紹介予定派遣でも一般的な派遣でも発生するのは、「派遣スタッフの実働時間×時間単価」の料金です。派遣先企業が、人材派遣会社へ支払います。

紹介予定派遣ではさらに、採用が決定した際の紹介手数料も必要です。紹介手数料は手数料率や派遣期間で上下し、派遣期間が長くなればなるほど手数料率が下がります。

一般的な派遣なら、紹介手数料はかかりません。紹介予定派遣では直接雇用に至った際、紹介手数料として別途料金がかかるのです。

紹介予定派遣を選ぶメリットは4つ!直接雇用される点が大きい

紹介予定派遣を選ぶと、以下のようなメリットがあります。紹介予定派遣を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

【紹介予定派遣のメリット】

  • 事前に社内状況を確認できる
  • 直接雇用までサポートがある
  • 辞退しても次が見つかりやすい
  • 未経験分野にもチャレンジできる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

紹介予定派遣は直接雇用される前に職場で働いて、就職前に社内状況を確認できる

紹介予定派遣では、直接雇用を前提として派遣されます。直接雇用の前に、働きながら以下を確認することが可能です。

  • 業務内容
  • 職業の雰囲気
  • どんな人が働いているか
  • 社員と相性が良いか
  • 自分のスキルが見合っているか

職場の雰囲気や人間関係がどうなのか、実際に働かないと分かりません。紹介予定派遣では直接雇用される前に派遣スタッフとして働けるので、職場とのミスマッチを防げます。

一旦直接雇用されると、すぐに退職するのは難しいでしょう。紹介予定派遣ならミスマッチを防ぎ、心から満足できる職場に就職・転職できます。

紹介予定派遣は派遣会社が就職までサポートしてくれる

紹介予定派遣は、人材派遣会社が次のようなサポートを行ってくれます。

  • 紹介予定派遣が可能な求人の紹介
  • 面接の対策
  • 履歴書の添削
  • 派遣先への条件交渉

なかなか言いにくい条件であっても、人材派遣会社が代行して交渉するので心強いでしょう。

また「志望動機で何を言えばいいのか分からない」といった悩みも相談できます。面接や書類選考で不安がある方には、大きなメリットです。

紹介予定派遣の直接雇用を辞退しても次に働く職場を見つけやすい

紹介予定派遣では、企業の決断で直接雇用に至らない可能性もあります。また、派遣期間中に職場が合わず、直接雇用を辞退する場合もあるでしょう。

一般的には、退職を決意すると、自分で次の職場を探さないといけません。紹介予定派遣でもし直接雇用につながらなかった場合、人材派遣会社が次の職場を探してくれます。

  • 次はもっとスキルに合う職場が良い
  • 経験に適したところで働きたい

こういった希望を気兼ねなく出せるので、より自分の希望の合う職場で働けます。

なお、求人ジョブズでは、希望条件やこれまでの経験などをもとに仕事を紹介します。職場見学を行う場合もあるため、勤務時のイメージをつかみやすいでしょう。

紹介予定派遣の仕事で未経験の分野にチャレンジできることも

紹介予定派遣では、未経験でも応募できる求人を紹介されるケースもあります。正社員の求人では内定が厳しい求人であっても、紹介予定派遣なら直接雇用で正社員を目指すことが可能です。

もし経験やスキルが不足していても、人材派遣会社を通して求人が紹介されるので、気軽に応募できます。

派遣中に合わないと感じたら、直接雇用を断ることもできるので、派遣期間中にお試しとして働くのもおすすめです。

派遣後の職場の多くでは研修があり、関わったことがない業種や職種でも安心して勤務できます。「未経験の分野で働いてみたい」という方は、ぜひ紹介予定派遣を活用しましょう。

紹介予定派遣を選ぶデメリットは3つ!直接雇用に至らないケースも

紹介予定派遣は直接雇用が前提で働けるなど、メリットがさまざまあります。

しかしネット上で「やめたほうがいい」という意見が見受けられるように、デメリットもあるため注意が必要です。

紹介予定派遣のデメリットを、以下3つにまとめました。

【紹介予定派遣のデメリット】

  • 直接雇用に至らない可能性もある
  • 職場の選択肢が限られる
  • 最長6ヶ月待つことがある

それぞれ詳細を見ていきましょう。

紹介予定派遣とはいえ直接雇用を見送られる可能性もあるので注意が必要

紹介予定派遣は直接雇用が前提ではありますが、絶対に直接雇用されるとは限りません。

紹介予定派遣の派遣期間中では、派遣先企業が「この人を直接雇用しても問題ないか」をチェックしています。何か問題があり、不適切だと判断されれば、直接雇用はされません。

派遣期間中を試用期間と捉え、直接雇用されても良いか自分で判断できるのは嬉しいポイントです。一方で、企業が直接雇用を断る可能性があることは、直接雇用を狙っている方にとってデメリットといえます。

派遣スタッフとして6ヶ月勤務したとしても、企業が直接雇用を認めない可能性がある点は念頭に置いておきましょう。

もし直接雇用されない場合、派遣スタッフが理由の開示を求めれば、派遣先企業は理由を伝えなければなりません。その場合、人材派遣会社が派遣先企業へ、明示してほしい旨を伝えてくれます。

紹介予定派遣は派遣会社を通すため職場の選択肢が限られる

自分で求人を探して応募する場合には、ほとんどの企業へ応募できます。しかし、紹介予定派遣に応募したい場合は、人材派遣会社から求人を紹介してもらわなければなりません。

人材派遣会社ごとで、紹介予定派遣が可能な求人の数はさまざまです。登録する人材派遣会社によっては求人数が少なく、応募先が限られる可能性があります。

自分で転職活動するよりも、応募できる求人が少なく、選択肢が限られる点は注意が必要です。

紹介予定派遣から直接雇用まで最長6ヶ月待たなければならない

紹介予定派遣は、最長で6ヶ月の派遣期間が設けられています。「なるべく早く入社したい」と考えていても、派遣先企業の希望によっては6ヶ月派遣スタッフとしての勤務期間が必要です。

また、6ヶ月勤務したとしても、直接雇用されるとは限りません。早めの直接雇用を希望する人は、派遣先企業から良い評価を得られるように、しっかりと業務に取り組みましょう。

なお、「もっと派遣期間を延ばしてほしい」との要望も不可能で、派遣期間は最長6ヶ月までです。

参照:紹介予定派遣の概要 厚生労働省香川労働局

紹介予定派遣そのものが減少傾向にある

「紹介予定派遣で働きたい」と思っても、紹介予定派遣そのものが減少傾向にあり、チャンス自体が数少ない状況となっていることもデメリットと言えます。

厚生労働省の「令和2年度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」「令和3年度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、紹介予定派遣の実施事業所は以下のように徐々に減少しており、紹介予定派遣を雇用した事業所は1割にも満たないことが分かっています。

【紹介予定派遣事業の割合の推移】

令和元年度(2019年度) 8.1%
令和2年度(2020年度) 7.4%
令和3年度(2021年度) 6.8%

また、「紹介予定派遣により同労者派遣された労働者数」も以下のように減っており、対前年度増減比は、令和元年度と令和2年度の比較で15.7%、令和2年度と令和3年度の比較で15.4%減少しています。

【紹介予定派遣により労働者派遣された労働者数の推移】

令和元年度(2019年度) 31,233人
令和2年度(2020年度) 26,314人
令和3年度(2021年度) 22,251人

これらのデータから、紹介予定派遣自体が減少傾向にあると言えるでしょう。

貴重なチャンスを生かして紹介予定派遣から直接雇用を目指すのであれば、以下のような努力や工夫が必要なことは理解しておいたほうが良いでしょう。

  • 紹介予定派遣の求人数が多い人材派遣会社を利用する
  • 派遣先企業に認めてもらえるような仕事をする・成果をあげる

【企業側のメリット】企業が紹介予定派遣を雇う3つのメリット

ここまで労働者目線から紹介予定派遣として働くメリット・デメリットを紹介しましたが、企業側にとってはどのような影響があるのでしょうか。

ここからは、紹介予定派遣を雇う場合、企業側が得られるメリットとデメリットについて見ていきましょう。

まずは、以下3つのメリットから解説します。

【企業が紹介予定派遣を雇うメリット】

  • コスト削減につながる
  • ミスマッチを防げる
  • 助成金を受け取れる

採用活動に際する金銭的・時間的コストを削減できる

企業が紹介予定派遣という形で人材採用を行う場合、金銭的コストを削減することができます。

通常、採用活動に際しては以下のような金銭的コストがかかります。

  • 求人広告を出す際の広告費や掲載費
  • 試験や面接にかかる諸費用
  • 採用活動を行う人件費

採用した後も、人材育成のために研修や教育にコストがかかることもあるでしょう。

その点、紹介予定派遣を雇用する場合、人材派遣会社が人材を集めてくれるので、募集・採用にかかる費用を大幅にカットできます。

また、紹介予定派遣では即戦力となれる人材をスピーディーに採用できるので、育成コストも抑えられるでしょう。

コスト削減は金銭的な面だけではありません。

自社で募集・採用活動を行わずに済む紹介予定派遣なら、「求職者の選定」「求職者との面接」「求職者への連絡」などは人材派遣会社が対応します。

企業が自ら候補者と細かいやりとりをする必要がないので、時間的なコスト削減にもつながります。

自社に必要な人材かどうかを見極めることができる

一般的な採用に比べて人材のミスマッチを回避しやすいということも、企業側が紹介予定派遣を雇うメリットのひとつです。

通常、人柄や適性は面接などの選考を通して見極める以外方法はなく、実際に採用するまでその人の人となりや働きぶりを知ることはできません。

紹介予定派遣を利用すれば、最大で6ヶ月間、候補者である派遣社員が自社にとって本当に必要な人材かを見極めることができます。

  • 自社の社風に合うか
  • 仕事への取り組み方はどうか
  • 職場の人間と上手くやっていけそうか

上記のようなことを面接のわずかな時間で見抜くのは難しいですが、数ヶ月間の時間をかけて確認できれば採用のミスマッチが防げます。

自社のニーズによりマッチした人材を採用することは、早期離職の防止にもつながるでしょう。

「キャリアアップ助成金」を受給できる

紹介予定派遣を経て、双方の合意のうえで直接雇用となった場合、派遣先の企業は「キャリアアップ助成金」を受給できます。

キャリアアップ助成金とは
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下、「有期雇用労働者等」という。)の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成するものです。

引用元:厚生労働省「キャリアアップ助成金」

ただし、企業が助成金の支給を受けるにはいくつかの要件を満たしていなければなりません。

申請要件や申請方法は、厚生労働省のホームページや発行されている最新のパンフレットを確認しましょう。

【企業側のデメリット】企業が紹介予定派遣を雇う2つのデメリット

続いて、派遣先となる企業が紹介予定派遣を雇うデメリットについて見ていきましょう。

【企業が紹介予定派遣を雇うデメリット】

  • 候補者が辞退する可能性がある
  • 派遣料や紹介手数料が発生する
  • 社内の士気が下がるリスクがある

候補者である派遣社員が直接雇用を辞退する可能性がある

紹介予定派遣は直接雇用を前提としていますが、正式に採用が実現するのは派遣先企業と候補者である派遣社員の間で、雇用に関する合意が成立した場合のみです。

企業側が「直接雇用したい」と考えても、「派遣社員として働いてみて自分とは職場の雰囲気が合わないと感じた」「これまでの経験・スキルをもっと活かせる職場で働きたい」など、派遣社員のほうでミスマッチを感じれば正式採用を辞退することもあるでしょう。

そうなると、直接雇用に大きな期待をして採用した企業側にとって、派遣社員として雇用しただけの数ヶ月間は無駄になってしまいます。

紹介予定派遣を利用する際には、「正式採用に至らないケースもある」ということを視野に入れておく必要があるでしょう。

派遣期間中の派遣料や直接雇用に至った際の紹介手数料がかかる

紹介予定派遣では、自社で採用活動するときに比べて金銭的なコストが削減できると伝えましたが、紹介予定派遣で採用決定するまでには、以下の費用が発生します。

  • 派遣就業中の「派遣料」
  • 直接雇用が決定した場合の「紹介手数料」

特に注意すべきなのが、一般的な派遣雇用では発生しない紹介手数料です。

紹介手数料の価格は人材派遣会社によって異なりますが、採用した人材が受け取る年収の30~35%としているケースが多いようです。

紹介予定派遣を利用する際には、目先の採用活動だけでなく、直接雇用に至った際に人材派遣会社へ支払う紹介手数料まで含めて費用を見積もる必要があります。

他の従業員の士気の低下・反感・トラブルを招くリスクがある

候補者の派遣社員を直接雇用する際には、企業は周囲の従業員に対しても意識を向けておかなくてはならないでしょう。

派遣社員だった人が正社員や契約社員に雇用形態を変えて入社に至ったことについて、すでに正社員や契約社員として働いている社員のなかには、良い印象を持たない人もいるかもしれません。

「自分より有利な条件で採用したのでは」などと、会社に対する反感や不信感を抱く人が増えれば、会社の士気も低下してしまうでしょう。


双方の合意のもとに正式採用が成立すれば安心してしまうかもしれませんが、場合によってはトラブルに発展する可能性があることは認識しておいたほうが良いでしょう。

紹介予定派遣から直接雇用されるまでの流れ

紹介予定派遣では、派遣社員として一定期間勤務した後、合意に至れば直接雇用されます。

どのような流れで直接雇用されるのか、以下でより詳しく紹介します。

1.派遣会社で登録

一般的な派遣と同じように、紹介予定派遣を希望する場合も、まずは派遣会社での登録が必要です。

派遣会社の公式サイトなどで、紹介予定派遣の求人を取り扱っているかチェックしましょう。たとえば、求人ジョブズなら、紹介予定派遣の特集ページを設け、分かりやすくまとめています。

登録後、紹介予定派遣を希望していることを派遣会社の担当者に伝えましょう。勤務時間や福利厚生など、他にも希望があれば、あわせて伝えることをおすすめします。

2.書類や面接による選考

働きたい職場が決まったら、派遣先企業が選考します。直接雇用される可能性があるので、書類選考や面接選考を行う企業も中にはあります。

書類も面接も派遣会社の担当者がサポートするので、不安な点があれば相談しましょう。

選考結果については、派遣会社の担当者から連絡があります。

3.派遣先企業で派遣社員として勤務

採用されると、派遣先企業での勤務がスタートします。紹介予定派遣では、最長でも派遣期間は6ヶ月です。

紹介予定派遣では業務内容や正社員となる条件などを確認し、直接雇用を前提とした契約を結んだ後、勤務します。

また、派遣期間はあくまでも、派遣会社の派遣スタッフです。派遣期間中は派遣先企業ではなく、派遣会社が給与などの手続きを行います。

4.直接雇用の意思確認

派遣の契約期間が満了する2週間〜1ヶ月ほど前に、直接雇用についての意思確認をします派遣社員であるあなたと派遣先企業のどちらも合意すれば、直接雇用は決定です。

派遣先企業の中には、面接や試験を再度行うところもあります。もし「ここは合わなかった」と思うのであれば、直接雇用を辞退することも可能です。

直接雇用に至らない際も、辞退する際も、派遣会社が引き続きサポートしてくれます。どんな職場が希望なのか改めて派遣会社の担当者に伝えると、より理想に合う職場に出会えるでしょう。

5.正社員または契約社員として勤務

直接雇用の契約を正式に結んだら、正社員もしくは契約社員として採用され、勤務します。直接雇用後は派遣先企業と契約を結ぶため、給与は企業から受け取ります。

なお、採用時または入社時に、派遣会社は派遣先企業へ紹介手数料を支払わなければなりません。

紹介予定派遣で働く際の注意点!直接雇用後に条件変更の可能性もある

紹介予定派遣のメリットとデメリットを把握したうえで「紹介予定派遣で働いてみたい」という方は、以下の点に注意しましょう。

【紹介予定派遣として働く際の注意点】

  • 必ず正社員になれるわけではない
  • 契約条件が変わってしまうこともある

詳しく見ていきます。

紹介予定派遣なら必ずしも正社員になれるとは限らない

紹介予定派遣において、派遣先企業も働いた派遣スタッフも直接雇用に同意すれば、契約を結びます。

しかしあくまでも直接雇用というだけで、必ずしも正社員になれるとは限りません。契約社員として直接雇用されるケースもあります。

紹介予定派遣として働く際、直接雇用後の雇用形態を必ず事前に確認しましょう。

たとえば、求人ジョブズの紹介予定派遣の特集ページでは、正社員雇用の求人を多数紹介しています。「正社員雇用」と事前に分かるため、正社員を目指す方は求人を探しやすいでしょう。

企業側から直接雇用を断られる場合もある

紹介予定派遣はたしかに直接雇用を前提としています。

しかし、直接雇用に至るのは、派遣スタッフと派遣先企業の双方が合意した場合です。

派遣スタッフとして就業している間、派遣先企業は勤務態度や成績、人となり、働きぶりなどを見ています。

例えば「自社のニーズに合っていない」「業務を遂行するだけの能力が不足している」「人間関係の構築に不安がある」など何らかの懸念材料があれば、企業側に直接雇用を断られることもあるでしょう。

紹介予定派遣だからといって絶対に直接雇用される保証はありません。油断せずに、派遣就業中から日々の業務に誠心誠意取り組みましょう。

紹介予定派遣後の直接雇用の際に契約条件が変わってしまうケースもある

紹介予定派遣での派遣期間中は、契約条件にそって勤務します。業務内容や勤務時間、賃金などの条件があらかじめ決まっており、条件から外れる場合は派遣会社への相談が必須です。

しかし、直接雇用された後は、派遣先企業と雇用契約を結びます。企業が提示した条件で働くため、中には派遣期間中の契約条件とは変わってしまうケースもあります。

直接雇用時の契約はきちんと確認し、気になる点があれば確かめておきましょう。

直接雇用後の福利厚生の算定期間に派遣期間が含まれない場合もある

直接雇用となった場合、派遣スタッフとして就業していた期間が福利厚生の算定期間においてどのような取り扱いになるのかということも、注意しておくべきポイントです。

例えば、年次有給休暇の算定期間です。

派遣期間6ヶ月、契約期間満了日の翌日から正社員として直接雇用に切り替わる場合、「いつから有給休暇が付与されるの?」と疑問に思う人は多いでしょう。

前提として、年次有給休暇については、労働基準法第39条において以下のように定められています。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

引用元:e-Gov法令検索「労働基準法」第39条

しかし、紹介予定派遣の場合、直接雇用へと切り替わった際に事業主が派遣会社から直接雇用先の企業へ変わります。働く場所が同じであっても事業主が異なれば「継続勤務」とはみなされません。

そのため、直接雇用先の企業が派遣スタッフとしての就業期間を有給算定期間にカウントしない場合、有給休暇が付与されるまで時間を要してしまうことになります。

ただし、企業によっては紹介予定派遣期間を有給休暇の算定期間に含めると特約で定めているケースもあります。

年次有給休暇がいつ付与されるかは契約内容によって変わってくるので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
  • 各種休暇に関する算定期間
  • 退職金の算定期間

合わせて、上記のような福利厚生においても、派遣就業期間がどのような取り扱いになるか確認しておきましょう。

紹介予定派遣ではできない業務がある

派遣において、禁じられている業務があります。

以下は紹介予定派遣であっても、携われない業務です。

  • 建設業務
  • 警備業務
  • 港湾運送業務
  • 弁護士や公認会計士などの士業
  • 労使協議の使用者側で当事者として従事する業務

参照:労働者派遣事業を行うことができない業務 厚生労働省

医療施設での医療関連業務については、労働者派遣事業が禁止されていますが、紹介予定派遣なら可能です。

すべての業務で紹介予定派遣が可能なわけではないので、注意しましょう。

直接雇用の確率をあげるには?紹介予定派遣から正社員を目指すコツ

紹介予定派遣は正式採用が前提とはいえ、派遣先企業から直接雇用を断られる可能性もゼロではありません。

そこでここからは、紹介予定派遣から正社員になるコツを5つに分けて解説していきます。

「〇ヶ月後には正式採用されるだろう」などと油断せず、派遣就業中からポイントを押さえながら仕事に取り組んで、少しでも正社員採用の確率を高めましょう。

誠実かつ意欲的に仕事に取り組む

正社員になりたいなら、日々の業務に誠実に向き合って派遣先企業から認められるよう努力しましょう。

基本的なことから言うと、以下のような日常的な勤務態度です。

  • 派遣先企業の方針に従う
  • 意欲的に仕事に取り組む
  • やむを得ない理由以外で遅刻・早退・欠勤をしない

職場の方針を無視したり、上司の指示通りに仕事をしなかったりしては、当然ながら正社員採用を懸念されてしまうでしょう。派遣スタッフには「頼んだ仕事をしてくれる人」を求めているので、まずは方針や指示に従って引き受けた仕事をしっかりとこなしましょう。

ただ仕事をするのではなく、意欲的な姿勢で取り組むことも大切です。意欲的に仕事に取り組んで実績を残すことができれば、正社員として採用される可能性も上がるはずです。

締め切りに遅れたりミスが多かったりすれば、マイナスの評価となってしまいます。正確性やスピードを意識して仕事に取り組み、会社からの信頼度を高めましょう。

また、遅刻、早退、欠勤にも注意してください。

どんなに優秀な社員であっても、基本的な出退勤がなっていない社員を採用したいと思う企業はありません。

やむを得ない事情で通常通り勤務できない場合には、早めに上司に連絡を入れて了承を得ましょう。

正社員として採用されるには、会社から信頼される人物でなければなりません。実直に仕事に取り組んで、採用率を高めましょう。

職場の人と良好な人間関係を築く

派遣先企業では、人間関係にも気を配りましょう。

人間関係が原因で仕事を辞める人は少なくありません。そのため、派遣先企業は直接雇用にあたり仕事の適性や能力に加えて、コミュニケーション能力や協調性も重視しているのです。

たとえ個人で優れた実績を残していても、周りの社員とまったくコミュニケーションを取らなかったり、「何を考えているかわからない」「どう接していいかわからない」と距離を置かれたりと、良好な人間関係が築けなければ「自社に合わない」という判断をされかねません。

社員との相性の良さは、「社風に合うか」「長期的に働けるか」といったことの指標になるので、派遣先企業では職場の人と積極的にコミュニケーションを取りましょう。

面接で正社員になりたい意思をしっかりと伝える

面接時に「正社員になりたい」という熱意を派遣先企業へしっかり伝えることも、正社員採用を実現するうえでは重要なポイントです。

紹介予定派遣は、双方の合意のもとで直接雇用が成立するので、企業側も候補者から断られるリスクを負っています。

企業によっては候補者の実績やスキルだけでなく、やる気やポテンシャルも選考基準にしている場合もあるので、「正社員として働きたい」という意思を明確に示すことで採用の可能性を高めることができるでしょう。

効果的なアピール方法としておすすめなのが、「正社員として入社したら会社にどのように貢献したいのか」をはっきりと伝えることです。

自分の強みや得意分野を具体的に示しながら、それらをどのように活かせるのかを伝えれば、自己PRの説得力が増します。

人材派遣会社によっては、模擬面接などの面接対策をしてもらえる場合もあります。人材派遣会社のサポートをうまく活用しながら、面接本番でしっかり自分をアピールできるよう準備しておきましょう。

紹介予定派遣を行っている人材派遣会社を探すポイント3つ紹介

紹介予定派遣を行っている人材派遣会社は、全国に2,000社以上あります。

どのような人材派遣会社を選べば良いのか、探す際のポイントを紹介します。

派遣会社で紹介予定派遣の求人を取り扱っているかきちんと確認

人材派遣会社の中には、紹介予定派遣の求人を取り扱っていない会社もあります。

ちなみに人材派遣会社が紹介予定派遣を行うには、以下の許可が必要です。

  • 労働者派遣事業許可証
  • 有料職業紹介事業許可証

トラブルを防ぐためにも、この2つの許可を得ているか確認しておきましょう。すべての人材派遣会社が紹介予定派遣の求人を扱ってはいないので、くれぐれも注意してください。

紹介予定派遣だけでなく派遣会社の強みが自分に合う会社かチェックする

紹介予定派遣の求人を扱っている人材派遣会社は、特徴や強みがそれぞれ違います。

たとえば、以下のように異なります。

  • 中途採用の求人が豊富
  • IT関連の求人に強い

選んだ人材派遣会社によっては、希望条件に合わない紹介予定派遣ばかりで、なかなか転職できない可能性もあります。特徴や強みを確認し、自分に合う会社なのかチェックしましょう。

派遣・紹介予定派遣について相談できる会社かどうか確かめておくと安心

紹介予定派遣を希望しているものの、以下のような人もいるかもしれません。

  • 紹介予定派遣を選んでいいか迷っている
  • 希望条件が特に決まっていない
  • どんな職場が向いているのか分からない

こういった人は、丁寧に相談にのってくれる人材派遣会社を選びましょう。就職や転職のサポートを行ってきた経験をもとにアドバイスしてくれるため、初めて紹介予定派遣を選ぶ人も安心です。

たとえば、求人ジョブズではコーディネーターが相談にのり、求人を紹介してくれます。WEB面談を推奨している他、対面での面談も可能です。紹介予定派遣が不安な人も、気軽に相談しやすいでしょう。

紹介予定派遣でおすすめの派遣会社6選を紹介!派遣で働きたいなら要チェック

紹介予定派遣を探すポイントを紹介しましたが、「多すぎて決めきれない」という人もいるでしょう。

そこでここからは、紹介予定派遣を行う派遣会社からおすすめの6つを厳選しました。ぜひ参考にしてみてください。

求人ジョブズは多くの企業で前もっての職場見学が可能

求人ジョブズトップ画像

求人ジョブズは、紹介予定派遣の求人を多数掲載しています。紹介予定派遣の特集ページを設けており、該当する求人を探しやすいためおすすめです。

さまざまな条件を設定して検索でき、紹介予定派遣の他に「40代活躍中」「未経験者活躍中」「土日祝休み」といった条件も選べます。入社特典付き、寮費無料の求人が掲載されているのも魅力です。

電話の他、チャットで気軽に問い合わせることも可能です。コーディネーターとの面談を経て、求人を紹介してくれます。多くの企業で職場見学を行い、職場の雰囲気を前もってチェックできます。

また、入社後には担当者が訪問や面談、電話などで状況を確認するため、安心して働けるでしょう。紹介予定派遣における不安、勤務中での悩みごとなどを気軽に相談できます。

リクルートスタッフィングはコンシェルジュが1対1で対応

リクルートスタッフィングでも、紹介予定派遣の求人を扱っています。「週4日勤務」や「残業なし」など、ライフスタイルに合わせて勤務条件を設定可能です。

人材派遣会社大手のリクルートが運営し、大手企業の求人も掲載しています。一部の求人では、リモートワーク(在宅勤務)が可能です。

コンシェルジュが登録情報や仕事探しなど、いろいろなサポートを行います。電話やビデオ通話で1対1の相談が可能で、土日祝といった好きな時間に予約することも可能です。

また、研修・キャリア支援も手がけており、オンライン講義やスマホで学べるコンテンツも提供しています。

派遣会社のパソナは非公開求人の案内も行っている

人材派遣会社として知名度の高いパソナでも、紹介予定派遣の求人を多数扱っています。全国各地の求人があり、企業が提示する条件に当てはまれば、非公開求人の案内も可能です。

自分のスキルや資格、経験などを選択し、紹介予定派遣の求人を絞れます。転職したい時期が決まっていれば、開始予定日を選ぶと良いでしょう。

応募書類の書き方や面接などのアドバイスを行っているので、書類選考や面接で不安な方も安心して臨めます。

派遣先企業への条件交渉も行うため、紹介予定派遣や直接雇用において希望する条件があれば伝えてみてください。

人材派遣会社テンプスタッフはスキルアップを目指せる研修が充実

テンプスタッフの紹介予定派遣は「派遣スタッフがすでに勤務している」といった、取引を行ってきた企業の求人を掲載しているのが強みです。

細かい情報を前もってチェックできるので、派遣スタッフとして勤務する前に疑問点や不安な点を払拭できるでしょう。

研修やeラーニングなど、未経験の方も安心できるようなサポートが充実しています。紹介予定派遣で働く前に、スキルアップを目指す方にもおすすめです。

大手派遣会社のアデコは細かい条件を選択して求人を探せる

アデコは紹介予定派遣の実績が豊富で、幅広い業界および職種の求人を扱っています。強みがあるのは、事務職の求人です。

キャリアコーチが希望の業界、経歴やスキルなどを確認し、希望に適した求人が見つかれば連絡してくれます。バックアップにより、未経験の業界や職種にチャレンジすることも可能です。

こだわり条件の項目では「扶養控除枠内」や「PCスキル不要」など、細かい条件を選んで求人を探せるため、自分の希望条件に合う職場を見つけやすいでしょう。

スタッフサービスはさまざまな業種の求人を取り扱っている

スタッフサービスの紹介予定派遣ではIT関連や医療関連、サービス関連など、さまざまな業種の求人を所有しています。

満足度の高いサービスを提供できるよう、幅広いニーズに合わせた対応が魅力です。検索画面では時短勤務や研修制度ありといった、いろんな条件を設けています。

求人は公式サイトで探すことはもちろん、希望をもとに担当者から紹介してもらうことも可能です。就業後も相談できるので、何か困った点があれば連絡してみると良いでしょう。

紹介予定派遣でよくある質問

紹介予定派遣において、よくある質問をまとめました。

直接雇用後に社会保険は変わりますか?

直接雇用後、派遣先企業の社会保険に変わります。

健康保険証が変わり、派遣期間中に使っていた健康保険証は派遣会社に返却しなければなりません。直接雇用された派遣先企業の保険組合から、新しい保険証が発行されます。

新卒でも紹介予定派遣は可能ですか?

新卒であっても、紹介予定派遣は可能です。

しかし、新卒を対象にした紹介予定派遣の求人があるかどうかは、派遣会社に確認しましょう。登録前に確認しておくと安心です。

直接雇用契約を結ばずに辞退する場合、どのような理由が多いですか?

紹介予定派遣では、派遣スタッフとして就業した後、派遣先企業と直接契約を結ばずに辞退する人もいます。

辞退の理由はさまざまですが、断る理由として多いものを以下に紹介します。

  • 社風や上司が合わなかった
  • 業務が忙しく今後も働いていく自信がない
  • 給与が低い

社風、人間関係、業務の忙しさなどは、表面的に見えている部分だけでは判断しづらく、実際に働いてみるまでわからないことも多いので、辞退理由としては仕方のないことと言えるでしょう。

また、実際に働いてみた結果、「仕事に対して給与が見合っていない」と判断して辞退してしまうケースもあります。

直接雇用後の雇用形態が正社員でなく契約社員の場合は、派遣社員時代よりも収入が下がってしまうことも珍しくなく、給与面のミスマッチから内定を辞退する人もいます。

派遣期間を6ヶ月以上に延期できますか?

紹介予定派遣の派遣期間は最長6ヶ月までと定められており、6ヶ月を超えての延期はできません。職種や業種に関係なく、最長6ヶ月です。

ただし、6ヶ月以内なら、期間を変更できます。たとえば、2ヶ月契約した後、3ヶ月の契約を結ぶことは可能です。

無期雇用派遣と紹介予定派遣の違いは何ですか?

無期雇用派遣では、期間を設けずに派遣会社と雇用契約を結びます。一般的な派遣とは異なり、更新の必要がありません。

紹介予定派遣は6ヶ月を最長とし、派遣社員として働きます。契約期間が満了する前に意思確認を行い、合意すれば、派遣先企業と直接雇用を結ぶのが大きな特徴です。

正社員と紹介予定派遣との違いは何ですか?

最初から正社員として採用された場合と紹介予定派遣から正社員登用された場合の大きな違いは、雇用主です。

最初から正社員として直接雇用となった場合、たとえ試用期間中でも雇用主は「勤め先の企業」になります。

一方、紹介予定派遣の場合、派遣スタッフとして就業している間の雇用主は「人材派遣会社」です。派遣の契約期間満了日の翌日から直接雇用へと切り替わった後は、「勤め先の企業」が雇用主になります。

紹介予定派遣に向いているのはどんな人ですか?

紹介予定派遣は一定期間を派遣社員として働き、期間満了後に正社員または契約社員として直接雇用される働き方です。

以下に当てはまる人は、紹介予定派遣に向いています。

  • スキルや経験が職場で通用するか不安な人
  • 人間関係でトラブルがないか心配な人
  • 未経験の職種・業界にチャレンジしたい人
  • 書類選考や面接に自信がない人

紹介予定派遣ではまず一定期間派遣にて勤務するので、「自分のスキルが通用するか」「どんな人が働いているのか」など、気になることを直接確認できます。

また、直接雇用が前提のため、未経験の職種・業界であっても、正社員として雇用される可能性があります。

紹介予定派遣は派遣会社への登録が必要で、派遣会社からのサポートを受けられるため、転職活動に自信がない人にもおすすめです。

紹介予定派遣が向いていない人はどんな人ですか?

紹介予定派遣が向いている人がいる一方で、やめたほうがいい人もいます。

以下に当てはまる人は、紹介予定派遣はあまりおすすめできません。

  • すぐに正社員や契約社員として働きたい人
  • すぐに収入を得たい人
  • 柔軟な働き方をしたい人
  • 過度な責任を背負いたくない人

紹介予定派遣はまず派遣スタッフとして勤務するので、すぐに正社員や契約社員として働きたい人には向きません。

また、紹介予定派遣で働くには、書類選考や面接を通過しなければならず、勤務開始までには時間を要します。最初の給与を受け取るまでには時間がかかるので、生活費にある程度の余裕がなければ金銭的に困窮してしまうでしょう。

「ワークライフバランスを重視した柔軟な働き方をしたい」「正社員になって過度な責任を負いたくない」など、派遣スタッフのメリットを失いたくないと考える人にも、直接雇用を見据えた紹介予定派遣は不向きと言えます。

紹介予定派遣は、将来的にその会社で長期的に働く可能性が高いです。

希望の働き方によっては、通常の派遣契約のほうが向いている可能性もあるので、中長期的な視点も持ちしっかり検討してから決めるようにしましょう。

紹介予定派遣の面接でよくある質問は何ですか?

紹介予定派遣の面接で聞かれることの多い質問と回答のポイントを以下にまとめました。

質問 回答のポイント
Q.自己紹介をしてください ・名前、年齢、経験してきた職歴や業種、業務に役立つスキルなどを伝える
・長くなりすぎないよう1分程度で簡潔に述べる
Q.職務経歴を教えてください ・どんな仕事をしてきたか、どんなキャリアを積んできたかを伝える
・職種が多い場合はおおまかな年数と業種を述べ、直近の職種に就いて詳しく伝える
・貢献するために心がけたこと、成果や評価されたことを述べて自己アピールを含める
Q.志望動機を教えてください ・なぜその企業や職種を選んだかを述べる
・自分の経験やスキルがどのように活かせるかを説明する
・社風や福利厚生より「その業務を選んだ動機」について述べる
Q.あなたの長所・短所を教えてください ・具体的なエピソードとともに伝える
・短所を伝える際には見方を変えれば長所にもなり得るものを選ぶ
Q.スキルや資格について教えてください ・まずは自分ができることや保有資格を簡潔に伝える
・できないことについても見栄をはらずに正直に伝える
Q.何か質問はありますか? ・質問は働く意欲のアピールになるので、可能なら複数用意しておく
・質問がない場合は自己アピールにつなげる
・調べればわかるような内容は質問しない

紹介予定派遣の面接について具体的に知りたいです。

「面接は何回行うの?」「面接はどんな感じ?」と、紹介予定派遣の面接に関して疑問や不安がある方もいるでしょう。

一般的に、紹介予定派遣の面接は1回のみですが、企業によっては以下のように2回にわたって面接を行うところもあります。

  • 採用担当者との面接→役員クラスとの面接
  • 派遣就業時の面接→直接雇用の直前に面接

紹介予定派遣の面接は、基本的に一対一で行われ、多くの候補者がいたとしてもグループで行うことはほとんどありません。

面接官となるのは、派遣先企業の人事採用担当者や配属部署の責任者の方です。

また、人材派遣会社によっては、営業担当者が面接に同席するところもあります。

紹介予定派遣を上手く利用して直接雇用後のミスマッチを防ごう

始めから正社員や契約社員として雇用されると、もし「この会社は自分には合わない」と感じて退職する場合、また自分で転職活動を行わなければなりません。

紹介予定派遣では直接雇用される前に派遣スタッフとして勤務し、派遣期間後に合意すれば、正社員や契約社員の直接雇用契約を結びます。自分に合う職場なのか、実際に働いて確かめられるので、ミスマッチを防げるおすすめの働き方です。

また、紹介予定派遣では未経験の業界や、いきなり正社員で雇用されるのが難しい求人にもチャレンジできます。やってみたい仕事があれば、紹介予定派遣の求人にないか確認してみましょう。

ただし、人材派遣会社のすべてが、紹介予定派遣の求人を紹介できるわけではありません。利用する人材派遣会社を決める前に、紹介予定派遣が可能かきちんと確かめることが大切です。

求人ジョブズでは紹介予定派遣の特集ページを設け、未経験者から50代・60代といったシニア世代まで、幅広い方が活躍できる求人を紹介しています。職場見学も行っているので、紹介予定派遣が初めての方も安心です。