仕事を辞めたい7つの理由や対処法、辞めるときの注意点もご紹介
「仕事を辞めたい」「会社に行きたくない」と思いながら迎える朝は、ひどく憂鬱ですよね。仕事への悩みを抱えたまま、毎日働き続けるのはとてもしんどいものです。積もり積もった大きなストレスは、いつか心身に悪影響を及ぼしかねません。
次のように感じたことのある人も多いのではないでしょうか。
- 職場に苦手な人がいて人間関係も悪いので仕事に行きたくない
- 毎日こなさなければいけない業務が多くて残業も嫌だ
- こんなに必死に働いているのに給料が上がらない
- 仕事の疲れが酷くて体がつらい
- とにかく働きたくない、しばらく休みたい
仕事を辞めたい理由は人によって様々あることでしょう。
この記事では「仕事を辞めたい」と考えている方の悩みを解消する情報をお伝えしていきます。
仕事を辞めたくなる7つの主な理由、仕事を辞めたいときに起こすべき3つの行動、そして仕事を辞めるべきかどうかの3つの判断基準について順にご紹介する中で、ご自身の悩みの本質をゆっくり紐解いてみてください。
明日を少しでも前向きに捉える一助となれば幸いです。
仕事を辞めたい最大の理由は「人間関係」主な理由を紹介
働いたことのある人なら、一度は「仕事が辛い」「仕事を辞めたい」と悩んだことがあるのではないでしょうか。
まずは、仕事を辞めたいと感じる主な理由をご紹介します。仕事を辞めたい理由をしっかり洗い出すことで、「本当に仕事を辞めるべきか」の判断材料にできるはずです。
- 人間関係が悪い
- 給料が安い
- 仕事が合わない
- 評価してもらえない
- 休みが取れない
- 業務量、残業が多い
- 会社の経営状況が悪い
詳しく見ていきましょう。
多くの人が仕事を辞めたい理由は「職場の人間関係が悪い」
仕事のストレスとして最もよく挙げられるのが、「職場の人間関係が悪い」です。
厚生労働省が実施した調査で、女性の転職入職者が前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」が最も多く、男性は2番目に多いという結果が出ています。
以下のようなストレスに悩まされたことはないでしょうか。
- 上司や同僚が気分屋である
- 上司が理不尽な叱り方をする
- 上司や同僚の尻拭いをさせられる
- 上司や同僚との相性が悪い
- 悪口を言われる・嫌がらせをされる
- 職場内に派閥やグループがあり、険悪な雰囲気である
- 同調圧力が強く、逆らうことが許されない
身に覚えのない理不尽な扱いを受ければ、誰でも会社を辞めたいと感じるものです。自分の意思が尊重されず、己の存在価値を否定されたままでは職場に居づらいですよね。職場の雰囲気が悪いと気も滅入ってしまい、仕事に行くのが億劫になるのも当然です。
しかもこれらは自分だけの問題ではないため、簡単に悩みが解決できず、ますますストレスが溜まります。
一緒に働く人を自由に選べないからこそ、会社を辞めることでしか「職場の人間関係のストレス」から逃れられないと考えてしまうのです。
他にも、人付き合いが苦手なのに人付き合いを強く求められる仕事に就いていると、ストレスが溜まってしまいます。公私混同の付き合いを強いられる職場も同様です。
また、職場の人たちからの過干渉も悩みのタネになることが多いです。噂話が好きな人の多い職場ではさまざまな話が吹聴されてしまうため、プライベート中であっても気が抜けません。
仕事時間外にもかかわらず「○○で見かけた」「○○さんと一緒にいた」「○○を買っていた」などと目撃情報を面白おかしく会話のネタにされ、窮屈な思いをすることも。人間関係が悪くなくとも、同僚からの過干渉はストレスの要因になりうるのです。
給料が安くて仕事を辞めたい!という理由も深刻な問題
上記の章でもお伝えした通り、厚生労働省が実施した調査で「男性が前職を辞めた理由」として最も多かったのが「給料が安い」という理由です。
当然のことながら、給料が安ければ生活が成り立ちません。さまざまな事情を抱えて働いている方なら、なおのことです。基本給が安ければ、どれだけ働いても手元にお金が入ってくることはありません。
昨今はコロナ禍や円安の影響もあり、日々の生活はますます苦しくなるばかりです。賃上げに希望が持てないとなれば、会社を辞めるほかないと考えるのは仕方のないことでしょう。
「今の仕事が自分に合わない」という理由で仕事を辞めたい人も多い
仕事が自分に合わないと、仕事のモチベーションが上がらず、会社に行くのもつらくなってしまいます。「仕事が合わない」と感じやすいポイントは以下の通りです。
- 仕事のミスが多い
- なかなか仕事が覚えられない
- 業務が時間内にこなせない
- 苦手な業務である
- 自分の強みが活かせない
どれだけ頑張っても手ごたえがなく、自信に繋がらないため、仕事を辞めたくなってしまいます。「仕事ができない」「仕事が向いていない」と思いながら働き続けるのは、心が擦り減る大きなストレスです。
業務のミスが重なれば周りの人に迷惑をかけてしまい、さらなる自己否定に繋がります。周囲からの呆れの声が聞こえたときには、会社を辞めたい気持ちは膨れ上がってしまうことでしょう。
自分に向いている仕事が分からない場合は、適職診断などで様々な職業を探索してみるのもいいでしょう。
社風が合わないためにモチベーションが保てず辞めたくなることもある
入社前の情報収集で社風をある程度把握していたつもりでも、実際に入社してから「想像と違った…」とミスマッチを感じる人は少なくありません。
社風のミスマッチの事例としては、以下のようなケースがあげられます。
- 社長の意見が絶対で部下の意見が反映されない
- 古い慣習が残っていて女性のポジションが低い
- 体育会系で上下関係が厳しい
- 保守的で新しいやり方を取り入れることに消極的
- 仕事の進め方にスピード感がない
仕事に対する考え方や取り組み方、価値観などが自分とあまりにかけ離れた会社にいると、業務の進め方、人間関係などさまざまな場面でやりづらさや居心地の悪さを感じるものです。
こうした環境では仕事にも集中できません。その結果、業務に対するモチベーションやパフォーマンスまで下がってしまうなど、負のスパイラルに陥ってしまうこともあるでしょう。
また、会社に出勤するだけ、日々の業務を淡々とこなすだけという状態では、キャリアアップやスキルアップなどの自己成長も期待できません。
そうした環境にただ身を置き続けることに精神的な辛さを覚えれば、「もう辞めたい」「社風の合う会社に転職したい」と考えるのも当然の流れと言えるでしょう。
正当に評価してもらえないから、仕事を辞めたいと感じてる
「成果をあげているのに評価してもらえない」「仕事内容は同じなのに学歴や性別で評価が異なるのはどうして?」という切実な悩みが退職に繋がる社会人は、決して少なくありません。日々の頑張りに対して正当な評価がついてこないと、仕事へのモチベーションが下がってしまうからです。
特に評価が給与や賞与に大きく反映される場合、その不満は募るばかりです。上司や会社に大切にされていないと感じ、会社を辞めたい気持ちが高まります。「こんな会社で働き続けても意味がない」と考えてしまうのも無理はありません。
自由に休めない状況がストレスで仕事を辞めたい原因になる
「家族が体調不良なので休みたいが休めない」「外せない用事があるのに休むなと言われた」「予定が終わったら出勤するよう命じられている」といった悲痛な声をよく耳にします。
自由に休めないことは、大きなストレスです。
新型コロナウィルスの流行もあり、社会そのものが「休みを取ること」に対して寛容になりつつありますが、それでも休みづらい風潮の会社が少なくないというのが現状です。人手不足を理由に、「ぐちぐち小言を言われるから休みたくない」と嘆く方は今も大勢います。
自身や家族の体調不良、さまざまな用事で休みを取りたいのはもちろん、今は趣味を楽しむ人が多い時代です。旅行やライブなど、自らの娯楽のために休暇を取りたい人には「休めない職場」は苦痛でしょう。
「休んでしまうと周りに迷惑をかける」という理由だけではなく、「休んだ分の仕事は誰も引き受けてくれないから」といった理由で休むことが難しいという方も非常に多いです。どんな理由であれ、気軽に休めない環境はどうしてもストレスの要因になります。
結婚・出産などライフスタイルの変化から辞めたいと思う女性は多い
結婚、出産、育児、介護など、ライフスタイルの大きな変化や家庭の事情から仕事を辞めたいと思う女性も多いです。
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概要」によると、女性の転職入職者が前職を辞めた理由で、「結婚」「出産・育児」「介護・看護」の割合は合計すると3.9%でした。
これを年代別に見ると、25~29歳の女性がもっとも高く、「結婚」「出産・育児」「介護・看護」を合わせると9.5%にも上ります。他の理由と比較しても、この割合は決して少なくありません。
【女性・25~29歳の転職入職者が前職を辞めた理由】
労働条件、休日等の労働条件が悪かった | 11.1% |
---|---|
給料等収入が少なかった | 9.8% |
結婚/出産・育児/介護・看護 | 9.5% |
ライフスタイルの変化と一口に言っても、辞めたいと思うきっかけは以下のようにさまざまでしょう。
- 上司や同僚が産休・育休を取ることに理解がない
- 休暇から復帰した後、これまで通り働く自信がない
- 業務量が多く今の職場では仕事と家庭との両立が難しい
- 結婚したら正社員を辞めてパートで働きたい
- 親の介護が必要になり今までのように働けなくなった
十分な休暇制度を設けていたり時短勤務やリモートワークなどフレキシブルな働き方ができたりと、一昔前に比べて、社員のワークライフバランスを重視する会社は増えました。
しかし、そうした会社でなければ生活が変わったことで、「働きづらい」「今まで通りに仕事ができなくて辛い」と感じる場面はどうしても多くなってしまうでしょう。
また、会社の制度が充実していても、上司や同僚の理解が得られない場合もあります。
「育児休暇について相談してから職場で冷たくされるようになった」「妊娠を報告したら雑用ばかり回されるようになった」というように、「マタハラ」「イクハラ」などのハラスメント行為を受けるようになれば、辞めたくなるのも当然です。
このように、思うように働けないストレスが溜まれれば、「もっと無理なく働ける環境に移りたい」「正社員を辞めて時短で働きたい」「生活が変わっても辞めずに働き続けられる会社に転職したい」と、新たな仕事や働き方を模索するようになるのも致し方ありません。
「仕事量や残業が多くて疲れた」という時に仕事を辞めたい
求められる仕事量が多いと疲れてしまいますし、それに加えて残業が多ければ疲れを取る暇もありません。毎日帰って眠るだけの生活で、就労後の時間や貴重な休日を趣味や娯楽にあてる元気も余裕もない…そんな日々が続けば、会社を辞めることも視野に入れてしまいますよね。
その原因は根本的な人手不足であったり、残業を是とする社風であったり、とにかくさまざまです。同僚の退職後、いつまで経っても人員を補充されないために過重労働に陥っている方もよく見かけます。
どうしてこんなに忙しいのだろうと思いながら働く日々。「疲れた、もう辞めたい」が口癖になってしまうのも当然です。
そして、仕事量や残業の悩みとして意外と多いのが、以下のふたつです。
- パート・アルバイトなのに正社員と同じ仕事量・責任を要求される
- 派遣社員なのに正社員と同じ仕事量・責任を負わされる
正社員を雇うには、パートや派遣社員を雇う以上のお金がかかる場合がほとんどです。経営者が人件費をできるだけ安く抑えようとした結果、パートやアルバイト、派遣社員にしわ寄せが行きます。
「それって正社員の仕事じゃないの?」と疑問に思ったことのある派遣社員の方や、「働きやすいと思ったからパートにしたのに…」と後悔したことのある主婦の方は、きっと大勢いるでしょう。雇用条件に見合わない労働を求められるのは、ストレスでしかありません。
このふたつに関しては、前述の「給料が安い」「自由に休日が取れない」という悩みにも繋がります。「同じ仕事をしているのだから給料を上げろ」「パート(アルバイト)なのだからもっと自由に休ませてほしい」というのは真っ当な主張です。
「こんな会社もう辞めたい」と考えてしまうのも、致し方ありません。
また「同一労働同一賃金ガイドライン」もありますから、雇用形態による待遇差で悩んでいる方はガイドラインを盾に企業側に交渉してみるものありです。
職場にセクハラやパワハラなどのハラスメントがあるから辞めたい
職場にハラスメントがあることが原因で仕事を辞めたいと思う人もいます。
ハラスメントと一口に言っても、以下のようにその種類はさまざまです。
ハラスメントの種類 | 事例 |
---|---|
パワハラ | ・人格を否定するような言動をする ・長時間にわたって厳しく叱責する ・集団で無視をされて職場で孤立している |
セクハラ | ・上司に身体を触られる ・同僚の性的な言動が苦痛で仕事が手につかない |
職場で嫌がらせをされたり理不尽な扱いを受けたりすれば、仕事どころではなくなってしまうでしょう。
また、一日の大半を過ごす職場で辛い思いをし続けることは、精神的に大きなストレスとなります。そうした状態が続けば、ストレスから心身に異常をきたす恐れもあるので軽く考えるのは禁物です。
ハラスメントを受けた際の対処法としては、上司、人事部、社内の相談窓口に話して対応してもらうという方法が代表的でしょう。
しかし、ハラスメントを訴えたからと言って必ずしも状況が改善するとは限りません。
証拠集めなどの対応が必要になり、余計に心身に負荷がかかってしまうことも考えられます。
「上司に相談したが改善が見込めない」「状況を良くしたいが、心身への負荷が大きすぎる」という場合には、自分自身の身を守るためにも退職・転職に踏み切っても良いでしょう。
「会社の経営状況が悪い」という理由で仕事を辞めたい場合もある
会社の業績が悪い状況が続くと、「このまま働き続けても大丈夫なのだろうか」という不安が付きまといます。給料や賞与が大幅に減らされるだけではなく、リストラされる可能性も否めません。近いうちに沈むとわかっている泥船に乗り続けるのは恐怖です。
もし倒産した場合は自己都合ではなく会社都合での退職になるため、7日間の待期期間後すぐに失業保険(雇用保険の失業手当)を受給することができます。ですから、金銭面での心配はあまりないかもしれません。
しかし、会社が倒産してしまうと給料の未払いが発生したり、退職金が満額もらえなかったりすることも少なくないのです。
「退職金がもらえるうちに辞めてしまおう」と考える人が多いのもうなずけます。
「働きたくない」という漠然とした気持ちから辞めたくなることもある
「とにかく働きたくない」「仕事をするのがめんどくさい」「なんとなくやる気が起きない」といった漠然とした気持ちから、仕事を辞めたいとまで考えてしまう人もいます。
特に以下のような日に憂鬱さを感じる人は多いかもしれません。
- 日曜の夜や月曜の朝
- 連休明けの出社日
- 土砂降りや台風など悪天候の日
- 会議やプレゼンなどで緊張している日
- 苦手な業務をしなくてはならない日
また、仕事が合わないわけでも会社に不満があるわけでもないのに、なんとなく気持ちが晴れないという場合、「通勤時間が長い」「満員電車に乗りたくない」などと仕事や会社ではなく通勤にストレスを感じている可能性もあります。
社会に出てから毎日仕事をしていれば、ときにはネガティブな気持ちになる日もあるでしょう。
業務量が多かったり人間関係が良くなかったりと、すでに何かしらの不満や問題を抱えていれば、ささいなことがきっかけで「辞めたい」という気持ちが一気に強まってしまうことも考えられるでしょう。
仕事を辞めたいと考えやすい人の特徴!性格や考え方の影響も大きい
ストレスの感じ方は人それぞれで、同じ職場で働いているからと言って、全ての人が同じようにストレスを感じるわけではありません。
では、どのような人が仕事を辞めたいと思い詰めやすいのでしょうか。
ここでは、仕事を辞めたいと考えやすい人の特徴を紹介していくので、自分自身に当てはまるものがないか確認してみましょう。
責任感が強い人
責任感が高い人は、任された仕事に真剣に取り組むことはもちろん、そもそも仕事への理想も高いです。
そのため、「絶対に成果をあげたい」「周囲の期待に応えたい」とプレッシャーを背負いこみやすい傾向にあります。
目標が達成できなかったり満足のいく成果が出せなかったりすると、「自分の努力が足りなかったから」「自分がもっと頑張っていれば」と、必要以上に自分を責めてしまうでしょう。
理想と現実のギャップに苦しみ自分を責めるようになってしまうと、仕事への自信も失ってしまい「辞めたい」という気持ちにつながってしまうのです。
完璧主義の人
完璧主義な性格の人も、仕事や職場でストレスの影響を受けやすいです。
完璧主義の人は、任された仕事に対して一切の妥協を許しません。8~9割の出来では満足できず小さなところにも目が届くので、ミスがひとつでもあれば「できなかった」「失敗した」と自己嫌悪に陥ってしまうでしょう。
仕事をするうえで完璧を目指すことは大切ですが、心身に大きな負担がかかるほど自分を追い詰める必要はありません。
こうした状態が続けば、ストレスから心身に異常をきたす恐れもあります。
「できなかったことよりできたことに注目する」「極端な考え方をやめるよう意識してみる」など、自分自身で心身にかかる負担を軽減するよう工夫してみましょう。
コミュニケーションを取るのが苦手な人
職場の人と良い人間関係を築けなかったり取引先とうまく付き合えなかったりと、コミュニケーションが苦手な人も仕事でストレスを感じやすいと言えます。
どんな仕事でも、円滑に業務を進めるうえで社内外の人とのコミュニケーションは欠かせません。
そればかりか、取引先からの信頼を失ったり顧客からクレームが発生したりと、場合によっては会社の利益を大きく損失してしまう事態にもつながりかねません。
ある程度のコミュニケーションスキルを身に付けていなければ、仕事で不自由な思いをする場面はどうしても多くなってしまいます。
「働きづらい」「居心地が悪い」「仕事を思うように進められない」という状態が続けば、退職を考えるようになってしまうでしょう。
新入社員や転職したばかりの人
新しい環境に飛び込んだばかりの新入社員や転職して間もない人などは、職場で抱えるストレスも大きく「辞めたい」と考えやすい傾向にあります。
誰でも新しい環境に慣れるまでの間は仕事を覚えるのに必死になりがちで、プレッシャーを感じやすいです。
加えて、新たな職場で人間関係もゼロから築いていかなければなりません。こうした状態では気持ちの余裕が持てず、緊張感や漠然とした不安を抱くのも仕方のないことと言えるでしょう。
ただ、仕事に慣れていくうちに辛さが徐々に和らいでいく可能性は十分にあります。
一時の感情ですぐに退職という行動に移してしまうと後悔する可能性もあるので、気分転換したり周囲の人に相談したりなどして慎重に判断するようにしてください。
プレッシャーの大きい仕事をしている人
業界や職種のなかには、仕事柄、常に強いプレッシャーを抱えながら働かなければならない仕事もあります。
例えば、医療業界や介護業界の仕事です。
医師、看護師、介護スタッフの場合、自分の仕事のやり方や進め方、行動、判断がそのまま人の生死や健康に関わります。
そのプレッシャーの大きさが精神的なストレスとなって、「仕事を辞めたい」「働きたくない」と思い悩むようになってしまうケースは少なくありません。
加えて、医療業界や介護業界の仕事は基本的に立ち仕事で、体力が要る仕事も多く、身体的な負担も大きいです。
特に人手不足の職場ではひとりあたりの業務量も増えてしまう傾向にあり、残業や夜勤で疲労が蓄積されることもあります。
責任のある仕事で精神的に辛くなっている状態で、身体的な疲労まで加わってしまえば、気持ちにどんどん余裕がなくなっていきます。
心身ともに限界に達すれば、仕事を辞めたいと思い詰めてしまうのも無理はないでしょう。
40代・50代で重要なポジションに就いている人
社会人生活や新しい職場環境に慣れていない人は辞めたいと思いやすいとお伝えしましたが、実は社会に出て十分な経験を積んでいる40代や50代でも仕事を辞めたくなる人はいます。
40代・50代になると基本的な業務だけでなく、企業の経営に関わるような仕事にも携わるようになるでしょう。
管理職などの重要なポジションに就いたり大きな仕事を任されたりと、仕事の裁量が大きくなれば、自分の影響力も大きくなり社内外で関わる人もぐっと増えます。
それらを自信や活力に変えて仕事に取り組めれば良いですが、自分の判断が会社や社員に大きく影響するというプレッシャーに耐えられなくなる人もいます。
責任が一気に重くのしかかって「辞めたい」「逃げ出したい」という気持ちになることもあるでしょう。
仕事を辞めたいときはメンタル状態をチェック!ストレスサインを紹介
よく「ストレスは体に良くない」と言いますが、過度なストレスが積み重なると心身に変化が表れることがあります。
「やる気が出ない」「寝たいのに寝れない」というささいな変化でも、それが体やこころからのSOSサインの場合もあるので決して軽視してはいけません。
そこでここからは、ストレスサインやストレスチェック法について紹介していきます。自分自身の身を守るためにもぜひ知っておきましょう。
こころや体に表れやすいストレスサイン
最初に紹介するのは、心身に表れやすいストレスサインです。
自分自身に当てはまる症状が出ていないかを確認してみましょう。
こころのサイン | ・強い不安感や緊張感がある ・怒りっぽくなった ・ささいなことで驚いてしまう ・急に涙が出る ・気分が落ち込む ・やる気が起きない ・人に会いたくない |
---|---|
体のサイン | ・肩こり、頭痛、腹痛、腰痛など身体に痛みがある ・寝つきが悪くなった、眠ってもすぐに目覚めてしまう ・食欲がない、または食べ過ぎてしまう ・便秘や下痢をしやすくなった ・めまいや耳鳴りがする |
これらの症状が表れている場合は、心身にストレスがかかっている可能性が高いので、まずは心身をゆっくり休めましょう。
WEBでできるストレス・疲労蓄積度のセルフチェックを紹介
自分自身の状態を知るための方法として、ストレスチェックをしてみるという方法もあります。
ここでは、厚生労働省がWEBで公開しているストレスと疲労蓄積度のセルフチェックを紹介します。
どれも質問数が多くなく短時間で完了するので、自分自身のストレス状態を知るためにもぜひやってみてください。
診断名 | 質問数 | 所要時間 |
---|---|---|
『3分でできる職場のストレスセルフチェック』 | 23問 | 3分 |
『5分でできる職場のストレスセルフチェック』 | 57問 | 5分 |
『働く人の疲労蓄積度セルフチェック(働く人用)』 | 27問 | 5分 |
仕事を辞めたいときに取るべき3つの行動をご紹介
仕事を辞めたい理由を少しでも整理できたでしょうか。「どうして辞めたいのか」を分析することで、次に自分が取るべき行動が見えてきます。
ここでは、会社を辞めたいときに起こすべき3つの行動をお伝えします。
- スキルアップなどで気持ちを前向きにする
- 部署異動を願い出る
- 思い切って仕事を休む
前述の「仕事を辞めたい7つの主な理由」に合わせてどんな行動を取るべきかをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
スキルアップなどの目標を定めることで、仕事を辞めたい気持ちを前向きにする
ひとつめは、「スキルアップなどの目標を定める」という非常に前向きな行動です。この行動を起こすと良いのは、以下の「仕事を辞めたい理由」です。
- 給料が安い
- 正当に評価してもらえない
- 自由に休日が取れない
- 会社の経営状況が悪い
これは「仕事を辞めたい」という思考を少しでも前向きにする方法です。ちょっと付け焼刃感が否めませんが、「辞めたいけれど今すぐではないかな」という方にとっては、多少なりとも気持ちを紛らわせることができるのではないでしょうか。
もちろん、「仕事を辞める前に会社の制度を利用して資格を取る」「スキルアップとして働きながら国家試験に挑戦する」などの会社を辞めることを前提とした目標設定でもかまいません。
今の会社で働き続けるために目標(やりがい)を決めてもいいですし、今の会社を辞めるためのステップとしてスキルアップを目指してもいいでしょう。仕事を辞めたい理由に対して、これからどうしたいのかを考えたうえで、ぜひ日々の目標を設定してみてください。
ひとつ目標を定めることで、家を出るときの憂鬱な気持ちが少し和らぐかもしれません。
仕事を辞めたい状況を変えるため、上司に部署異動を願い出る
ふたつめは、「上司に部署異動を願い出る」という環境を変える行動です。この行動を起こすと良いのは、以下の「仕事を辞めたい理由」です。
- 職場の人間関係が悪い
- 今の仕事が自分に合わない
- 自由に休日が取れない
- 仕事量や残業が多い
これは部署異動が可能な企業に限りますが、働く環境を変えることで悩みが一気に解決する場合があります。部署異動が可能な時期・勤続年数が決まっている会社などもあるため、すぐに部署異動が叶うわけではないかもしれません。
しかし「会社を辞めたいと思うくらい悩んでいるので異動したい」と切り出すことで、何かが少しでも良いほうへ変わる可能性があるなら、ぜひ行動してほしいと思います。
もし部署異動が難しい企業で働いているなら、上司に席替えを打診したり、仕事のやり方を抜本的に見直すことを提案したり、環境を変える行動を取ってみてください。「この会社にそこまでの労力をかける価値はない」「そんなことをするくらいなら辞めてやる」と考えるなら、「仕事を辞めるべきかどうかの3つの判断基準」の「辞めたあとのことを考えられているかどうか」の項目まで読み飛ばしてくださいね。
どうしても仕事を辞めたい気持ちが強いなら、思い切って仕事を休む
3つめは、「思い切って仕事を休む」という休息を取って心身のリフレッシュを試みる行動です。この行動を起こすと良いのは、以下の「仕事を辞めたい理由」です。
- 職場の人間関係が悪い
- 仕事量や残業が多い
これに加えて、「すでに心身に何らかの悪影響が出ている場合」も「思い切って仕事を休む」という行動を取ってほしいと思います。
蓄積した疲労やストレスは心身に大きな影響を及ぼします。自律神経の乱れや不眠・過眠、ひどい場合にはうつ病を患うケースも少なくありません。病気が発覚して休養するという方も多いですが、うつ病は根治が難しく、長く付き合っていかなければならない病気のひとつです。発症しないに越したことはありません。
厚生労働省によれば、うつ病は生涯に約100人に6人が経験する病だといいます。決して珍しい病気ではありませんが、未だに偏見が根強い印象です。脳が委縮することによって生じる脳機能の低下が原因だと判明しているのですが、「心の風邪だ」「精神が弱いせいだ」と誤解している人が多いため、無理をしてしまい悪化するケースが多いのです。
ストレスが原因で発症する病気は、決してうつ病だけではありません。また「仕事を辞めたい」と考えて悩むことは甘えではありません。取り返しのつかないほど健康を害してしまう前に、会社を休んで充分な休息を取ってください。
仕事よりも会社よりも、心身の健康が一番です。
気分転換のため・ストレス発散のために休暇を申請するのも、とても良い方法です。わずらわしい日常から離れ、美味しいものを食べたり、ドライブに行ったり、趣味に没頭したり。自分への「ご褒美」を作れば、きっと仕事を頑張るための活力になるはずです。
もしも病気で休む場合は、医師の診断書といくつかの条件を満たせば「傷病手当」を受給できます。金銭的な不安もなく、ゆっくり休むことが可能です。ストレスがすでに病気として現れてしまっているなら、そういった制度を利用して休息することも考えてみてくださいね。
仕事辞めたい・疲れたと悩んだときは要注意!知っておきたいNG行動
「仕事を辞めたい」「仕事に疲れた」というときは、辛く苦しい気持ちでいっぱいでしょう。精神的な余裕がなくなって、冷静ではいられなくなることもあるかもしれません。
しかし、後先考えない行動によって状況が悪化したり問題が大きくなったりと、思わぬトラブルを招くこともあるので注意が必要です。
ここでは、どんなに仕事を辞めたいと悩んだときでも避けたほうがいい行動をお伝えします。NG行動についてしっかり理解しておいて、リスクを負わずに済むように注意しましょう。
NG行動1.衝動的に会社を辞めてしまう
仕事や職場への不満が募って、「もう辞めたい」「もう会社に行きたくない」と強く思うこともあるでしょう。
とはいえ、一時の感情に任せて突発的に退職という決断をすると後悔する可能性があるので注意してください。
会社を辞めてストレスの原因から離れてしまえば、辛い気持ちからも一気に解放されるでしょう。「もう会社に行かなくていい」「嫌いな上司に二度と会わなくて済む」と思うと、正しい判断をしたように思えるかもしれません。
しかし、突発的に会社を辞めたとなれば収入源を失ってしまいます。すぐに次の仕事が決まれば良いですが、転職活動が長引いた場合、金銭的に困窮してしまうかもしれません。
「貯金を切り崩して生活してきたがもうお金がない」という状態では、仕事を選ぶ余裕もなくなってしまうでしょう。「とりあえず仕事が決まればいい」「内定が出た会社に入るしかない」とその場しのぎで転職先を決めてしまうことにもなりかねません。
短期間のうちに転職をくり返せば、キャリア形成にも影響します。転職をくり返して逃げ癖がついてしまうと、長期的なキャリアプランも立てづらくなってしまうでしょう。
仕事を辞めたいと思い悩んでいる状態は辛いものですが、冷静さを失った状態で重要な決断をするのは避けるべきです。
必要以上に決断を急がず、まずは有給休暇や休職で仕事から一旦距離を置きましょう。
退職する・しない関わらず、冷静さを取り戻すことで問題解決策や取るべき行動が見えてくるはずです。
NG行動2.無断で会社を休んでしまう
いくら仕事に行きたくないからといって、無断で会社を休むのは良くありません。
無断欠勤という行動は、社会人としての責任を放棄しているのと同じことです。
職場では社員ひとりひとりに役割があり、担当業務が振り分けられているはずです。出勤するはずの社員が無断で仕事を休めば、通常通りに業務が遂行できず、上司や同僚、取引先など多くの人に迷惑をかけてしまうでしょう。
もともと仕事や会社に不満を抱えていながら、さらに「無責任な人」「どんなに周りに迷惑をかけているか分かっていない」などと周囲に思われれば会社での居心地も悪くなり、問題はいっそう大きくなってしまうでしょう。
出退勤に関する連絡は、社会人として守るべき最低限のルールです。
休みたい場合は、始業時刻前に上司に必ず連絡をして許可を取ったうえで休むようにしてください。
NG行動3.辛い気持ちを我慢して働き続ける
前述の通り、感情任せの退職や無断欠勤は禁物ですが、だからといって、仕事を辞めたいと思うほどの辛さを抱えながら我慢して働き続けることもあまりおすすめはできません。
自分の本当の気持ちに蓋をして我慢や無理を続ければ、精神的に大きな負担がかかります。
そうした状態が続けば、心が限界を迎えてしまうのも時間の問題でしょう。
メンタルに影響すれば、うつ病や適応障害などの精神疾患を発症する可能性も出てきます。
うつ病
様々な心理的負荷などにより精神活動が低下し、抑うつ気分、興味や関心の欠如、不安・焦燥、精神運動の制止あるいは激越、食欲低下、不眠などが生じ、生活上の著しい苦痛や機能障害を引き起こす精神疾患です。治療としては、休養、薬物療法、精神療法を組み合わせます。
適応障害
環境変化によるストレスが個人の順応力を超えた時に生じる情緒面および行動面の不調です。うつ病など他の精神疾患の診断がつくには至っていない状態です。薬物療法も行われますが、環境調整、環境に慣れること、個人の順応力が増えることなどが状態の回復に重要です。
辞めたいという気持ちが強すぎるときやすでに心身に影響が出ている場合は、これ以上の無理や我慢は禁物です。
まずは一度仕事から離れて疲れた心身をしっかり休めましょう。
仕事を辞めたい!辞めるべきか悩むなら、3つの基準から判断する
一度「仕事を辞めたい」と思ってしまうと、なかなかその思考から抜け出せないものです。とにかく仕事を辞めたくなっているため、事態を俯瞰的に捉えることが難しく、どれだけ考えても「仕事を辞める」という結論しか出せないかもしれません。
ここでは、仕事を辞めるべきかどうかの3つの判断基準をお伝えします。3つの判断基準に照らし合わせながら、今の仕事を辞めるべきかどうかを冷静に考えてみてください。
今の仕事を辞めなければ絶対に解決できない問題かを考える
今抱えている仕事の悩みが、「今の仕事を辞めなければ絶対に解決できない問題か」を考えてみてください。
仕事の悩みですから、仕事を辞めれば解決するのは当たり前です。ここで重要なのは、「辞めなければ絶対に解決できないかどうか」です。
例えば、「給料が安い」から辞めたいと考えている人がいるとします。他に仕事への不満もなく、定時退社できている日も多いなら、副業を始めて稼ぎを増やせばいいのです。
「副業なしで稼ぎを増やしたい」というなら、会社の昇給制度を改めて調べてみるのはいかがでしょうか。なかには資格手当を支給してくれる企業もありますから、給料アップを目指して資格勉強に取り組むという手もあります。
このように、仕事を辞めたい理由によっては、辞めずに解決できるものもあるのです。
もちろん、仕事を辞めなければ解決できない問題も多く存在します。「今の仕事を辞めなければ絶対に解決できない問題」の例を見ていきましょう。
- 職場での嫌がらせが続く
- 毎日残業ばかりで体力が持たない
- うつ病になってしまった
- 今とは全く別の仕事に就きたい
自分だけでは解決できない問題や、会社のシステムそのものに欠陥がある場合などは、辞めた方がいい職場とも言えます。「心身に支障をきたしてしまった」「別の業種に挑戦したい」という場合も同様です。
ご自身の悩みがどうしても解決できないものなのか、視点を変えながら一度よく見つめ直してくださいね。
仕事を辞めたい!と相談して、冷静に判断してくれる第三者に助言をもらう
「もう仕事を辞めることで頭がいっぱいで、冷静に判断するのが難しい」と頭を抱えている方は、思い切って信頼できる人に相談してみましょう。きっと自分とは異なる目線から助言をくれるはずですよ。
ただ注意したいのは、相談するときにどうしても主観が入ってしまうため、結論は仕事を辞める方向へ進む可能性が高いという点です。
可能なら、同じ職場の信頼できる同僚や上司に助言を求めてみてください。職場の状況を理解しているはずですので、また違う意見をもらえると思います。
自分ひとりで悩むのではなく、周りを頼ってみることです。遠慮せず、周りを巻き込んでみることです。もしかすると、何かが良い方向へ動き出すかもしれません。
仕事を辞めた後のことを考えられているかどうか
「会社を辞めたい」と悩んでいる人にとって意外と盲点なのが、「辞めた後のことを考えられているかどうか」です。もっと簡単に言うなら、「お金の心配はしなくて大丈夫ですか?」ということ。
少しでも心配があると思った方は、辞めたあとの生活についてぜひ一度しっかり考え直してください。
会社都合での退職ではありませんから、失業保険(雇用保険の失業手当)を受給するには時間がかかります。7日間の待期期間、それに加えて2~3ヶ月程度の給付制限が設けられているからです。
失業保険を受け取るまでは、貯金を切り崩して生活する人が多いです。働きながら転職活動する場合でも、転職活動にどれだけ時間を割けるのか、事前にしっかり考えておく必要があります。
仕事を辞めたい理由があっても辞めてはいけないとき4つ
「仕事辞めたい」と考える理由の中には、辞めてしまうと後悔する可能性が高いものもあります。
以下を理由に辞めたいと考える人は、辞めないほうが賢明です。
- 寿退社
- 家族の介護
- 仕事が「向いてない」と感じる
- 明確な理由がなく「疲れた」と思う
なぜ辞めないほうが良いのかお伝えするので、すぐに仕事を辞めようとはせず、一旦立ち止まって考えてみましょう。
寿退社で辞めてしまうと再就職が難しくなる
結婚を機に、「仕事辞めたい」と考える女性もいるでしょう。寿退社は退職理由として納得を得やすく、辞めやすいといえます。
寿退社が必ずしも悪いとは言い切れませんが、キャリアが途絶える点は注意が必要です。寿退社で仕事を辞め、引っ越しや結婚生活、子育てが落ち着いてから再就職しようとしても、復帰は簡単ではありません。
ブランクがあると、特に正社員での復帰は困難です。選考の際、仕事を続けてきた女性とブランクがある女性とでは、やはり差があります。
介護を理由に辞めると収入がなくなってより大変な状況に
高齢者が増えている現代では、家族の介護が必要になるケースが少なくありません。
介護と仕事の両立が難しく、「仕事を辞めるしかない」と思う人も多々います。退職すれば介護に専念できますが、当然ながら収入がなくなってしまいます。
介護では通院費や介護用品などがかかる場合もあり、収入が増えない中での介護はより大変です。介護するだけでも大変な上、収入の心配も重なれば、ストレスで共倒れになる恐れもあります。
介護休業の他、時短勤務についても相談することをおすすめします。介護が必要だからとすぐには辞めず、仕事を続ける方法がないか相談すれば、キャリアが途絶えずに済みます。
入社から数ヶ月なら向いてないとは思わずに続けてみる
仕事が辛く、入社してすぐに「向いてない」と感じている人は、もう少し今の職場で仕事を続けてみましょう。
特に、新卒は仕事に慣れておらず、向いてないかどうかはすぐに判断できません。
- 業務に慣れていない
- 仕事でのコミュニケーションに慣れていない
- 人間関係になじめない
こういった状況は、仕事を続ければ改善する可能性があります。経験を積み、ある程度の時間を経ると、業務にも人間関係にも慣れてくるはずです。
入社から数ヶ月は覚えることが多く、ストレスも多く溜まるでしょう。ストレスが溜まって「向いてないから」という理由で辞めてしまうと、次の職場でも同じ理由で辞める可能性が高いです。
上司や先輩の力を借りなくても業務ができるまで、仕事を続けてみましょう。
特に理由もなく「疲れた」からと辞めると後悔する可能性が高い
特に理由もなく、「疲れたから辞めたい」と考えて仕事を辞めても、後悔する可能性が高いといえます。
単に「疲れた」という理由で、勢いで仕事を辞めるのは避けましょう。
どういうときにどんな理由で「疲れた」と感じるのか、理由を明確にしておくことが大切です。理由が分からないままでは、次の職場でも勢いで退職してしまう可能性があります。
理由を明確にし、仕事を辞めないとどうしても解決できない理由であれば、退職を検討しましょう。
会社を辞めると決めたら気を付けたいポイント
最後に「仕事を辞める!」と決意した方へ向けて、会社を辞めると決めたら気を付けたいポイントをお伝えします。
衝動的に社内で「仕事を辞めます!」と言うのは避けて、計画的に進めていくと良いでしょう。
仕事を辞める前に転職活動のスケジュールを決めておく
「仕事辞めたい」と考えて実際に仕事を辞める場合、転職をするのが一般的です。基本的には、仕事を続けながら転職活動を行います。
いつから転職活動を始めるか、いつまでに転職したいのか、スケジュールを決めておきましょう。もし転職活動を決めずにいると、転職や退職そのものが曖昧になってしまいます。
ほとんどの会社では、就業規則で「1ヶ月前までに退職する旨を伝えること」といった、退職に関する定めが設けられています。会社によっては2〜3ヶ月前のところもあるため、必ず確認しておきましょう。
いつから転職活動を始めればいいか分からない人は、転職エージェントに相談しても良いでしょう。転職についての相談に幅広くのってくれます。
「今すぐ仕事を辞めたい」という気持ちを抑えて、退職時期に注意する
今すぐに会社を辞めたい気持ちが高まっていると思いますが、退職する時期はできるだけ見計らうようにしてください。人手の足りない繁忙期に辞めてしまうと、確実に周りからのひんしゅくを買います。
退職する時期は上司と相談するようにしましょう。繁忙期などがなければすぐに辞めてもいいでしょうし、まだ少し我慢ができそうなら賞与をもらったあとがベストです。もらえるものは全てもらって辞めましょうね。
仕事を辞めて自分がいなくなっても会社は回ると考える
「人手不足で辞めたいとは言えない」「辞めたいと伝えるのが怖い」と悩んでいる方もいるかもしれません。せっかく勇気を出して退職を伝えたものの、「人手が足りないから辞めないでほしい」と強引に引き留められてしまった、という話もよく耳にします。
退職をなかなか言い出せない方、引き留められてそのまま働き続けてしまう方も少なくないはずです。ですから、はっきりお伝えしておきますね。
人がひとり辞めたくらいで会社は潰れません。そんなことで潰れてしまう会社のほうがおかしいのです。
そもそも、誰しもが健康に働き続けられるわけではありません。突然事故に遭ったり、病気になったり、健康以外の理由で職場を離れざるを得ない場合もあります。人を雇ううえで必ず付いてまわるリスクを視野に入れず、属人的なシステムを黙認し続けた会社が悪いのです。
リスクマネジメントに失敗した会社が悪いと考えてください。従業員を大切にできない会社は潰れて然るべきです。
自分の人生は他の誰でもない自分のものだと強く自覚し、自らにとって後悔のない選択をしてほしいと思います。
引き留められにくい退職理由を考えておく
退職の話をスムーズに進めたいのであれば、あらかじめ引き留められにくい退職理由を用意しておくと良いでしょう。
まずは、退職理由として会社や仕事に対する不満を述べないことです。
例えば、「残業が多いから辞めたい」と伝えた場合、上司は「残業しなくていいから会社に残ってくれ」「業務量を減らすように対処するから辞めないでほしい」と提案してくるかもしれません。
また、できるだけポジティブな表現に言い換えて退職理由を伝えることも、上司からの引き留めを避ける有効な手段です。
「給与が安い」「仕事が面白くない」などとネガティブな言い方で退職を申し出れば、上司の気分を害してしまう可能性があり、退職の話がスムーズに進まなくなるかもしれません。
一方で、以下のように退職理由をポジティブに伝えれば、今後に向けて前向きな姿勢をアピールすることができるので、上司も「応援したい」「次が決まっているなら」という気持ちになりやすいでしょう。
【退職理由の言い換え例】
ネガティブな言い方 | ポジティブな言い方 |
---|---|
給与や待遇に不満があった | ・成果や実績が評価される環境でバリバリ働きたい ・自己成長のために実力主義の厳しい環境で頑張りたい |
労働環境に不満があった | ・オンとオフのメリハリをしっかりつけて働きたい ・ワークライフバランスを重視した働き方をしたい |
人間関係が悪かった | ・チームワークを大切にしながら目標達成に向けて一丸となって頑張りたい ・周囲と密にコミュニケーションを取り、互いに高め合いながら仕事をしたい |
合わせて、退職を申し出る際には、退職への固い意志を伝えることも重要です。
そうは言っても、「もう決めたので」「今月で絶対に辞めます」というような一方的な言い方をするのは良くありません。
スムーズに退職できるように準備を進める
退職する日が決まったら、退職に向けた準備を進めましょう。
- 後任者への引き継ぎ
- 会社へ返却するものの確認
この2つは、退職までに必ず済ませておきましょう。
「仕事を辞めた後は関係ない」とは思わず、後任者への引き継ぎもしっかり済ませることが大切です。自分が行ってきた業務を、手順書に分かりやすくまとめましょう。
なお、仕事を辞めるかどうかに関係なく、あなたと同じ業務を行える後輩を育成しておくと、急に休んだり、退職したりする際も安心です。手順書だけでは説明が難しい場合は、直接作業を行いながら説明しましょう。
また、社員証や重要書類など、会社に返却すべきものがないか前もって確認しておくと、退職日にスムーズに返却できます。上司や人事担当者などに確認しておきましょう。
退職日までの大まかな流れを解説!辞めると決めたら計画的に行動する
「辞めると決めたものの辞め方がわからない」「退職を決めたら最初に誰に言うべき?」という方も多いでしょう。
そこでここからは、退職を決めてから退職日までの一般的な流れを5つのステップに分けて解説していきます。
- 直属の上司へ退職を申し出る
- 退職願・退職届を提出する
- 後任者に業務の引き継ぎをする
- 社内外でお世話になった方々に挨拶回りをする
- 退職当日には事務的な手続きやデスク回りの掃除をする
退職に際してはやるべきことがたくさんあります。退職時に職場に迷惑をかけないために、退職までの大まかな流れを把握しておきましょう。
ステップ1.直属の上司へ退職を申し出る
退職を決断したら、就業規則に定められている期日内に直属の上司に退職を申し出ましょう。
先輩や同僚など身近な人に最初に報告したいという方もいるかもしれませんが、本人以外から上司に伝わってしまうとトラブルになる恐れがあります。
上司に退職を申し出る際には、以下のような配慮をしておくとスムーズです。
- 忙しい曜日や時間をさけて上司の都合がつきやすい日時を選ぶ
- 事前に上司にアポイントを取っておく
- 上司と一対一で話せるよう会議室を予約しておく
退職について話をするときは、上司の都合がつきやすい日時を選びましょう。
場合によっては話が長引く可能性があります。上司の忙しい日時は避けることはもちろん、事前に「相談したいことがあるのですがお時間をいただけますか」と、アポイントを取っておくと焦らずじっくりと退職の意思を伝えられます。
また、退職の話は他の社員の士気を下げることもあるので、できれば会議室などを予約して、上司と一対一で話せる場所で行いましょう。
ステップ2.退職願・退職届を提出する
上司と相談して退職日を決定したら、会社の就業規則に則って「退職願」「退職届」を提出します。
「退職願」「退職届」は言葉は似ていますが、以下のような違いがあります。
退職願とは
これからの退職に向けて、「退職したいです」と打診する書類。「〇月△日に労働契約を解除したい」と退職を申し出る時に提出する。口頭で申し出ることも可能で、必ず提出する必要はない。しかし明文化して提出することで、退職の意思の強さを示したり、申し出の証しにしたりする。退職願を受け取ると、会社は労働契約の解除について承諾するか検討に入る。ここに引用文を入れてください。
退職届とは
すでに退職が認められた後、「退職します」と届け出る書類。会社の承諾を得て退職が確定した後、退職の意思表示をするためのもの。法的には口頭のみの意思表示でも良いとされるが、勘違いや「言った言わない」のもめ事を避けるため、事務手続きの記録として提出する。会社規定の書面があれば使用する。ここに引用文を入れてください。
会社によっては、指定のフォーマットを用意しているところもあります。
ステップ3.後任者に業務の引き継ぎをする
「退職日までに引き継ぎが終わらない」なんて事態にならないよう、後任者への引き継ぎは、退職日または最終出社日から逆算してスケジュールを立てたうえで行いましょう。
退職日の3日前までには引き継ぎが終わるように設定しておくと、余裕を持って退職日を迎えられるはずです。
また、担当業務のマニュアルを作成しておくことも忘れずに行いましょう。
マニュアル作成時に業務の洗い出しや整理をしておくと、必要な業務の引き継ぎを漏れなく行うことができます。
合わせて、以下のようなことについてもまとめておくと後任者の安心につながるでしょう。
- クライアントの細かい情報や過去のやりとりについて
- 取引先の担当者名と連絡先
- トラブル発生時の対処法
引き継ぎ漏れがあると職場に迷惑をかけることになります。
引き継ぎは、自分が退職した後も職場全体がこれまで通りに業務が遂行できるよう、できるだけ丁寧に行うことが重要です。
ステップ4.社内外でお世話になった方々に挨拶回りをする
退職日が近づいてきたら、社内外でお世話になった人へ退職する旨を伝えましょう。
直属の上司や職場の同僚など社内の関係者であれば、退職当日や最終出勤日に挨拶をします。
取引先など社外の関係者に対しては、できるだけ会って退職を伝えるのが望ましいので、退職が決まり次第、退職する旨を伝えると良いでしょう。直接会うのが難しい場合は、挨拶状や挨拶メールを送ります。
挨拶回りの際、退職理由や転職先について聞かれるかもしれませんが、余計なトラブルを生まないためにも詳細を話すのは避けましょう。
特に、取引先についてはどこでどのような話をされるかわかりません。
転職先については業界や職種などを伝えるのみにとどめ、具体的な企業名は伏せましょう。
ステップ5.事務的な手続きやデスク回りの掃除をする
退職当日にもなれば、引き継ぎや業務を行うことはほとんどありません。
主に事務的な手続きを行うことになるので、漏れのないよう注意して行いましょう。
退職時に会社から受け取るものと会社へ返却するものとしては、以下のようなものがあります。
退職時に会社から受け取るもの | ・源泉徴収票 ・雇用保険被保険者証 ・離職票 ・年金手帳(会社が保管している場合) ・退職証明書 |
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退職時に会社に返却するもの | ・健康保険証 ・社員証 ・社章 ・名刺 ・スマートフォンやパソコン ・制服 ・会社の経費で購入したもの(事務用品や書籍など) ・業務に関する資料・書類・データ |
また、使用していたデスク回りやロッカーも、次の人が気持ち良く使えるようきれいにしておきましょう。
仕事を辞めたいと悩むなら、まずは現状改善に向けて動いてみよう
仕事を辞めたい理由や、会社を辞めたい時の対処法についてお伝えしてきました。
社会人なら誰しも一度は、「会社を辞めたい」という考えが頭をよぎったことがあるはずです。しかし、その考えが頭からずっと離れないのは毒でしかありません。ストレスを抱え続けていれば、いずれ心身に不調が現れます。すでに現れている方も、きっと少なくないことでしょう。
転職へ一歩踏み出すのなら、まずは転職エージェントに相談してみてください。きっと的確なアドバイスをいただけるはずです。求人を探していく中で、改めて「今の仕事は実は恵まれていた」「やっぱり不満だ」など今の仕事について感じることも多いでしょう。
そこで改めて、退職や転職について考えてみてもいいと思います。まずはとにかく行動を起こし、仕事の悩みに囚われた現状から抜け出すことが大切です。
この記事が少しでも後悔のない選択に繋がりましたら幸いです。